山本有機農園

農園の基本理念・方向

その1 コンパクトな家族農業

 私たちの農園は、際限のない規模拡大を目指しません。ある程度の機械や人の手は借りますが、あくまで自分たちの目と手が行き届いて畑を丁寧に管理できる範囲の適正規模の農業を行います。 忙しすぎて野菜に付いた朝露の美しさや畑の小さな生き物の動き、土の匂いと手触りなどを感じられないのは何ともつまらないからです。また、家族と一緒に過ごす時間が無くなるのはもったいないからです。
 あくまで家族規模の小さな農業の中で、人が人として働く充実感と誇りを持ち、その中で季節ごとの農的な暮らしや世俗的な楽しみを味わっていきます。

 

その2 畑の中に面白さを見つける農業

 私たちの農園は、現在一般に行われている農薬や化学肥料を使う慣行農業を否定しません。もちろん、行き過ぎがあれば改めないといけませんが、日本の食と農を支えているのは慣行農業を行う農家だからです。
 私たちの農園では、現状では軽トラックや農業機械を動かすためのガソリンやビニールマルチなどの石油由来の資材を使用しておりますが、設立以来一貫して農薬や化学肥料を使わない農業を行っており、それは今後も変わりません。

 しかし、それは何かに対する反動というより、農薬や化学肥料を使わず多様な作物を栽培する農法に面白さを見出したからです。農薬や化学肥料を使わないと、時には害虫や病気の被害がありますが、それを何とかしようと工夫している内に野菜や畑との対話が生まれ、害虫も含め様々な生き物と人間が同じ土俵にいる生き物だという感覚が湧きます。 その様な過程で結果的に環境に負担のかからない農業を行っていきます。

 

その3 プロとして食べていく農業

 農業に対してどのような夢や理想を抱いていても、事業が継続していけなければ意味がありません。夢と現実を両立させてこそ意味があります。
 私たちの農園は、自主独立した専業農家として野菜を栽培し販売することにより、生計を立てていきます。また、プロの農家としての気概を持ち、お客様に美しくておいしい野菜を提供します。
 農業で食べていくのは確かに大変ですが、今後農業を目指す若者のため、農業は普通の人間でも努力することにより十分食べていける職業であるという一つのモデルタイプとなりたいと思います。

 

その4 つながりある農業

 畑で野菜を育てることの楽しさ・喜び・難しさを自己完結させるのではなく、様々な手法で発信したり、実際に畑に来てもらうことにより、農業に少しでも興味のある人と想いを分かち合いたいと思います。また、自分の活動が農業に限らずこれから頑張ろうとしている人が一歩を踏み出すきっかけになれば良いと思います。

 そのために、積極的に農業体験などを行うなど開かれたつながりある農業を行います。

 

その5 農村が元気になる農業

 新規就農者である私たちの農園が現在何とか継続出来ているのは、師匠はもちろんのこと、京都大原の人たちの助けのおかげです。 その恩を還元する意味でも、 今後は私たちの農園が農村の経済活動を少しでも活性化させる原動力となりたいと思います。
 そのために、京都大原野菜のブランド化に努め、地元の直売所(里の駅大原)や宿泊施設、飲食店などに積極的に野菜を提供し、野菜が大原の魅力の一つであるようにしていきます。

 

 

まだまだ理想と現実には開きがありますが、山本有機農園は常にこの指針を見失わず、一歩一歩近づけるように、日々の農作業に励みます。

 

                                                                   △ページトップへ